水のことなら水の力
水素と酸素の電気陰性度の違いから、水分子においては酸素原子側が電気的に負となり、水分子の形から電気双極子を形成している。さらに共有結合に使われていない孤立電子対が2つ存在する。以上から水の比誘電率は 79.87 (20 ℃) と高い。このため塩化ナトリウムなどのイオン結晶の結合を破壊し、すぐれた溶媒として働く。さらに水素-酸素結合は水素結合を形成しやすく、特に電気陰性度の高く結合に利用できる電子軌道が余っている原子とは容易に水素結合を作りやすい。したがって、糖などイオン性ではない分子に対する溶媒ともなる。このため、ベンゼンなどの炭化水素はイオン性でもなく、水素結合を形成しないため、水には溶解せず分離してしまう。 以上、水はほかの物質を溶かしたり、溶けた物質のイオン化を促進する性質をもつことが分かる。このため溶媒としてよく使われる。また、多くの化学反応の触媒としても利用される。 天然の水には、僅かに重水(D2O、多量に摂取すると生物には有害)が含まれている。水素の同位元素である重水素からなるものである。重水は、化学反応の標識によく使われる。
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